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一式陸攻二四型丁(5)  

色も決まったので全体塗装に入ります。
今回は退色させようと思います。

まず前に作った暗緑色を全体に吹きます。
124に黒を混ぜた結構暗い色です。
塗装1

この状態からパネルラインも特に気にせず、素の124を吹きます。
下地はあんまり残さなくていいです。範囲は上面色が残る部分で。
塗装2

この上から315番とダークイエローを混ぜた124をパネルの中心部に吹きます。
白を混ぜると緑は青みが増すので、混ぜる色は少し黄の入った灰色がいいでしょう。
塗装3

最後にさっきの色にまた315を足して一番退色した色をつくりランダムに吹き付けます。やりすぎました。
塗装4


下面色も前回作った黒緑色を使います。こっちは18番のブラックグリーンベースのほとんど黒です。
特にマスキングなどせず、フリーハンドで上面色との境目を細吹きでやっつけます。
暗い色同士なので飛沫の処理が楽です。
塗装5

下面色もそれなりに明度をあげておきたいので124を足した色を軽く乗せておきます。

機首の防眩塗装をマスキングして塗り分けます。黒をそのまま使うと浮くのでタイヤブラックに黒を足した黒に近いグレーです。
カウリングの内側もやってたようですがどうしようかな。
塗装6

これで基本塗装は終わりです。
小物の塗装もすんでるので後は細かいマーキングとスミ入れ、汚しですか。
胴体側面の電探のアンテナどうするの考えないと。
[ 2006/11/23 23:46 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(0)

一式陸攻二四型丁(4) 

今回も長々と色の考証話をしてますが、模型には好きな色を塗ればいいと思います。実機と同じ色を塗っても縮小された模型ではイメージが変わるのは当然なので。
もちろん考証の正しさが作品の出来、不出来を左右する決定的なものでもありません。
僕が考証をやるのは本や写真で得た実機の理解を復習するためと、より正しい形や色にするにはどうすればいいかを考えるのが楽しいからです。ヒントは出来るだけ多いほうが楽しめるので、写真集や解説本を読み込むのは何か見落としがないか見れば見るほど楽しめます。時間がたつと自分の視点も変わるのでまたおいしいですし。
解説や通説が間違ってることもありますが、後からそれがわかるのもこの遊びを継続していく上での楽しみです。

ガイアノーツから零戦色と銘打って新しい塗料が出るようですが、何を根拠にしてどういう考証をしてるのか興味があります。仮規117、もしくは海軍航空機用塗料色別標準に準拠してるのでしょうか。
この二つの資料は市販図書にはまだ公開されていないので、参考にしたのがこの二つだったら一緒に公開してもらえるとうれしいのですが。


前回の続きで、空技報0266を参考に濃緑黒色D1と緑黒色D2のカラーチップを作ってみました
役立たず

暗い上に写真がへぼいので全然わかりませんね。
一応説明すると、上からMrカラー18番 RLM70ブラックグリーン(この色はD2に似てると思う)、ラベルが以前のデザインの15番 濃緑色(1)(暗緑色)、124番 暗緑色、空技報0266を参考に作った濃緑黒色D1(124に黒を足したもの)、緑黒色D2(18に青と黄色を足したもの)です。
この色味にもいくつか疑問点があって、昭和20年2月9日制定の航格8609(学研の疾風本に掲載)をみると、暗緑色D2(緑黒色)であるといわれる緑色1-2はMrカラー124番そのものに見えます。J3灰色である灰色2-6を見る限り同色なので、空技報0266掲載の暗緑色D2は濃すぎたのでしょう。確かに同一資料中に暗緑色D2の色味が2つに見える塗料片はありました。(ヨ-109に使った色と機体覆いに使った色)
この辺、仮規117にはきちんと載ってるんだろうなぁと想像するのですが、今はわかりません。


カラー写真に残っている中攻の色です。
暗緑色(この名称もどこで緑黒色から変わったのだろう?)D2と思われる一式陸攻11型です。
学研の「艦上機・水上機パーフェクトガイド」によれば昭和16年12月4日付の通達で艦戦以外の迷彩を標準化したそうで、その迷彩色は上面を暗緑色D2とするものだったようです。
モニターの環境で多少違って見えるかも知れませんが、そう極端に色は変わらないでしょう。拡大して見てください。
不時着

逆光でわかりにくいのですが、Mrカラー124番寄りの彩度の高い緑です。

次にアメリカで保存中の銀河11型後期です。当時のままの色だとしたら、Mrカラー124番そのものといった色です。
銀河機首


こちらは今まで見た緑より暗い緑です。九六陸攻23型で戦後に撮影されたものです。機首部分の色は一段暗い緑に塗り替えられてるように見えます。
96陸攻


これも戦後撮影された海軍機各種です。かなり黒っぽい色で、零戦のカウリングと明度差がほとんど同じに見えます。この写真を初めて見たときもかなりショックを受けました。識別帯もオレンジが強いように見えます。僕が調色したカラーチップの濃緑黒色D1はこの色をイメージしています。拡大して見てください。
敗戦

暗緑色D2とされた上面色が、残されたカラー写真からはまったく明度の異なる2色の緑として存在しています。
これは推量なんですが、異なる2種の機体が存在するのは濃緑黒色D1と暗緑色D2の2色を上面色として使い分けていたからではないでしょうか。(どういう基準で分けてたのかはわかりません)
色の違いは写真の写り具合による差なのかもしれませんが、明るい124番寄りの色は暗緑色D2で、より暗い色は濃緑黒色D1ではないかと考えています。わざわざ濃緑黒色D1を制定してるのに使ってなかったとは考えにくいです。

ここから今作ってる一式陸攻の塗装につながるのですが、一式陸攻は末期の塗装では前面暗緑色塗装になります。それまでは下面は無塗装銀(正確には透明塗料で保護)でした。これは戦況の悪化のため昼間行動が出来なくなり夜間用の迷彩として施されたものです。
この下面の塗装は工場出荷時ではなく、部隊配備後に現地部隊が施すもので、写真によっては下面色が黒のように濃く写ってるものもあります。
下面色1

下面色2

この濃く写ってる部分の塗料に濃緑黒色が使われていたというのは考えられないでしょうか。
陸攻という機種は外板の痛みが激しく部隊で張替えが行われていたようなので、当然塗料も大量に保有していたでしょう。
暗緑色D2は主に上面の補修用に使い、濃緑黒色D1は補助として使用してたとしたらどうでしょうか。
こう考えてみたので下面色を濃緑黒色D1として塗ってみようと思います。
[ 2006/11/17 23:25 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(2)

一式陸攻二四型丁(3) 

前回までで工作はほぼ終わってるので塗装に入ってるんですが、今回はやたらと塗膜が剥離してぜんぜん作業が進みません。

18日までっていうのは絶望的です。

それとなくした脱出孔のパーツは部品請求したらすぐ来ました。
冷静に考えると、部品取りにもう一個買ってもこのキットは作るのにやたらと手間がかかるので作らないだろうと。実家にも一個積んであるし。
パーツは日曜に請求を出して水曜にはもう届きました。ハセガワえらい。

話を戻して、どこが剥離してるのかというと主翼前縁の識別帯と主翼、胴体の日の丸周辺です。
透けるデカールは使いたくなかったので、マスキングの吹き付けで再現しようと下地の白を吹き、マスキングした後に前縁の黄色と日の丸の赤を吹き付けます。そろそろいいかなとマスキングをはがすともうペリペリと。
剥離

これは前縁のまだ剥離の軽いほうですが、主翼、胴体ともペリペリいってたのでシンナーで下地ごと拭い取ります。剥げてなかった右翼のほうも色見本(後述)よりオレンジが強すぎたので塗りなおしてます。
色落とし


日の丸は白縁がなければ楽なのですが、主翼下面以外には縁があるので我慢して一工程多くマスクします。
まず日の丸の赤い部分の直径を持つ円をサークルカッターで切り出し、日の丸を描きたい場所に貼ります。この円が日の丸の位置を確定します。
円を切り出した残りのテープを先に貼った円に重ならないように貼り、貼り終えたら円をはがします。
マスキング

赤を吹き付けた後いったんすべてのマスキングテープを剥がし、塗膜の段差を1500の水ペーパーで均します。
主翼日の丸

白縁を含んだ分の直径を持つ円を切り出し、白ふちの幅がずれないよう慎重に今塗った赤円の上に貼り終了です。
胴体日の丸

白ふちがずれやすいので、ふちつき日の丸は同心円状に切り出した白ふち単体で貼るほうがやりやすいかもしれません。

塗装で使う色についてですが、今回はいろいろ考証本を参考にしました。
日本軍機の塗料規格は陸軍と海軍では違っていましたが、市販の本で陸軍機は主要な色ほぼ全部、海軍機も上面色と下面色は確認できます。
直接的に色見本が載ってるのは、学研から出てる零戦2(1と2が出てて2のほう)、疾風、隼の各ムックです。これらの本はムックという体裁をとってて一見初心者むけですが、実機の通説的解説はなく、実機の細部考証や、開発史から見た機体解説で固めてあるため初心者が手に取ったら写真やCGを眺めるくらいしか面白くない本になってます。
まず世傑あたりを読んで通説を頭に入れてから読まないと、従来の視点と変えて解説される実機の開発史や、新資料を基にした通説のおかしな所を批判してる点の面白さがまったくわからないと思います。
考証にこだわるなら最新の日本機研究の成果がわかるので、日本機モデラーは必読でしょう。
零戦2に載ってる色見本は空技報0266で、これは海軍機の迷彩塗色を規定する実験結果の報告書です。上面の迷彩色や、下面の灰色の色見本が乗ってます。上面の緑が2種(D1濃緑黒色、D2緑黒色)あったことや、いわゆる飴色論争がもう終わってることもこの空技報0266をみるとわかります。
論争の焦点である、零戦の下面色J3灰色そのものが載ってるのでほぼ決まりでしょう。
解釈の紛糾した「ヤヤ飴色ガカリタルモノナルモ光沢ヲ有スル」塗料片は載ってませんが、この「飴色」塗料が塗られていたのは11型と対米開戦前から開戦後しばらくの期間中生産された限定的な機数の21型ぐらいですし、その色にしてもこのJ3灰色をベースに考えていけばいいわけです。
付属の色見本は、もちろん塗料片の退色や印刷による変色があるので零戦に塗られてたそのものとはいえませんが、少なくとも海軍機の塗装の変更が徹底される17年初頭以降の機体色(下面色)なので飴色論争以上に海軍機の塗色という点で重要な資料でしょう。
今まで日本機の色に統一的な規格などない、各生産会社、生産工場ごとに塗料の色味は違うといわれてきてたのでこの資料と解説を読んだときは本当に驚きました。

今回の記事にしようと思ってた、陸攻本体の塗装用に空技報0266を参考にして作ってみた濃緑黒色と緑黒色のカラーチップとカラー写真に残る海軍の双発攻撃機の塗装との比較や、疾風本に載ってる航格8609と隼本に載ってる航各39については疲れたので次回で。
[ 2006/11/17 00:45 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(0)

一式陸攻二四型丁(2) 

さて、ニ四型丁のキモであるところの桜花ですが、このキットに付属している物は前回の記事にも書きましたが、ハセガワが以前発売していた物そのものです。

この桜花は一式陸攻とセットだったり、単体での販売だったりとかなりの戦歴を誇るようで、僕が見たセットの物は、爆発炎上する敵艦を背景に上空を乱舞する一式陸攻(一一型)と桜花という血湧き肉躍る60年代戦記ブームなもので、一一型に桜花搭載能力はないだろ、とか、なんで母機まで突入してんだよ、とか突っ込みを入れるのも野暮に感じられるような、そんな元気の良過ぎる箱絵でした。

キットの出来についてですが、プロポーション自体は良く特徴を捉えてて問題ありません。ですがさすがに大昔の物なので細部はつらいものがあります。
コクピットはこりゃ野中五郎少佐も拒否るわなと思わせる簡素さで、操縦桿は太すぎるし座席や計器盤もかなり大ざっぱです。
パネルラインも結構豪快に省略されてるので、ただでさえ木金混合のパネルラインの少ない機体がよりのっぺりしてみえます。
いくら搭載状態だと下面くらいしか見えないからといっても新キットにそのまま搭載させるには抵抗ある出来です。
たしかに昔の物にしてはよく出来てる方だとは思うのですが、定番品として売るのなら桜花は新規に金型を起こして欲しかったところです。

72には手を入れないことにしているのですが、さすがに母機である陸攻とのディティールに釣り合いが取れないため、簡単に図面を見ながらスジボリを追加します。角の丸いハッチのモールドはプラペーパーでテンプレートを作ってケガいてやると楽に出来ます。
桜花スジボリ


スジボリ以外には機体吊下げフックの基部を追加してます。照準環が風防前に着くのでこれはファインのエッチングを後で追加しようと思います。後部胴体のエアダクトや母機との接続のゆれ止め基部は作り直した方が良いのですが、面倒なのでそのままです。
組み立て上、前方ゆれ止めを取り付ける穴を桜花に開けるよう指示がありますが、桜花単体で見た際の見た目が悪くなるため穴は開けません。キット自体も信管止めや尾部固定具、肝心の懸吊部が省略されているので実機と違いますし。今回は塗膜が心配ですが両面テープで母機にとめようと思います。


どうでもいい話ですが、この一式陸攻と桜花の懸吊方法、アニメ版「音速雷撃隊」でも実機と違っています。これは演出上の都合で、このアニメのメカデザインはカトキハジメ、つまり一式陸攻ニ四型丁と桜花一一型にはカトキアレンジが加えられたVer.kaが存在するといえます。

桜花の資料としてはモデルアート11月号臨時増刊「「秋水」と日本陸海軍ジェット、ロケット機」がまとまってて分かりやすいと思います。
桜花という機体は極論すれば人間誘導の空対艦ミサイルみたいなものですが、でもこの本にある自殺攻撃機という表記はどうも…。

戦争末期の航空軍備は、総特攻体制ともいうべきほど特攻兵器に傾いており、その中でも桜花は最後まで期待され続けた兵器です。爆装機より比較的高速なのと、ガソリンを使わないことが評価されていたのでしょう。
突入率の低さを補うため、母機を銀河や連山に変更することも検討されています。(銀河は試験済み。)ジェット化して航続距離(射程距離といった方が正しい気がする)を延長したニニ型を経て、最終的には地上からカタパルトを使って射出する四三型が本土決戦において主力になる予定でした。
桜花1


桜花は各型総計250機ほど生産されましたが、生産数のわりに日本軍機で現存する数の一番多い機体です。
小型機なので場所を取らないという点からも保存向きでしょうが、それ以上の意味を持って残されてるんでしょうね。

[ 2006/11/11 22:14 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(0)

一式陸攻二四型丁(1) 

今年もMASAさんたちと奥多摩へ温泉旅行に行くことになりました。温泉旅行といっても一泊二日の簡単なものですが。
去年もそうだったように何か完成品を持って行きたいので、手早く作りかけのものを成仏させるべくこれを仕上げることにしました。
中攻箱

ハセガワ1/72一式陸上攻撃機二四型丁です。桜花搭載母機で特攻機です。
知らない人に説明すると、上の双発機は戦場までの運搬機で、腹の下に搭載してる灰色の小型機(桜花一一型)が突入します。
この機体や特攻にはいろいろ思うところもあるのですが、まあそのうちに。

キットについてですが、丁型と名乗ってるだけあって、桜花以外の兵装が入ってなく、基本的に特攻機にしか作れないという大変割り切ったキットになってます。
このキットの丁型仕様は乙型からの改造機で機首銃座は7.7ミリの92式旋廻機銃になってます。箱絵じゃどうみても3式13ミリ旋廻機銃積んでる丙型ベース機なんだけどなぁ。
機首銃座

この甲や乙、丙というのは防御武装の違うサブタイプを表してて、桜花搭載機である丁は乙、丙型の生産機から抽出して改造されていました。
つまりこのキットは不要部品として弾扉も入ってるので、どうしても丁型が嫌なら爆弾庫を閉じて乙型として作ることも出来ます。丁は操縦席に防弾板積んでたりしたのですが、このキットはその辺まったく再現してないので無問題です。

以前二二型(簡単にいうとエンジンが違うのでカウリングの形が違う)も出てたのですが、カタログ落ちしてあまり見かけませんね。そっちは25番2発か91式改6航空魚雷が兵装として選べました。
まともなG4M2系キットはこれしかないので、カウリングを一緒に入れて二二型も作れるようにコンパチにしてもらえるとありがたいのですが、多分やらないでしょうね。二二型は電探ないタイプがつくれて楽なんですけどね。

部品のあわせなんですが、いつものハセガワレベルです。カウリングはがたついてるので接着した後にペーパーで整えてやると見栄えがよくなります。カウリング内部は本来無塗装の銀でしょう。勘違いして機内色吹いてますが後でやり直します。
中攻カウリング


透明部品は割り方が悪いので気をつけないとガタガタになります。機首上部はかなり気を使います。コクピットの風防は窓枠の形がおかしいことにマスキングがすんでから気づきました。窓枠が多くてマスキングがきついのはしょうがないのであきらめます。
何とか塗装直前までもってこれました。
中攻1

機首銃座を銀河の旋廻機銃としてついてる3式13ミリに換えて丙ベースにしようかとも思いましたが、ベルト給弾を再現する気力がなくやめました。

ここまでやって脱出孔のパーツをなくしてることが発覚。
こいつは今までいろいろと箱を転戦してたのでその過程でなくなったのでしょう。部品請求してる時間もないし、もう一個買うしかないのか…。

次回は桜花本体でも。
この桜花、なぜかハセガワは一式陸攻一一型につけて売ってたっけ。
[ 2006/11/10 23:54 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(0)