使ってみたいと思っていた工具がコトブキヤに入荷していたので買ってみました。

この工具はパール塗装で有名な石川雅夫氏が考案されたエッチング製のスジ彫り工具です。
ご自身のサイトで、組み立てから使用方法等まで詳しく解説されています。
http://mmifinishwork.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs/wforum.cgi?no=2294&reno=no&oya=2294&mode=msgview&page=10http://mmifinishwork.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs/wforum.cgi?no=2298&reno=no&oya=2298&mode=msgview&page=10http://mmifinishwork.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs/wforum.cgi?no=2307&reno=no&oya=2307&mode=msgview&page=0
僕は基本的に針でスジボリを彫っていますが、よれずにきれいに彫るにはテンプレートを当てるのは必須です。
しかしテンプレートは曲面やエッジのきつい部分にはきちんと当てずらい物ですし、何よりめんどくさいので2、3センチ以内の長さの場合はフリーハンドで済ませることも多いです。
スジボリが直線ならばデザインナイフで彫るのが手軽でよれも少ないのですが、ナイフでの掘り込みは、表面に彫りたいラインに沿ってVの字の切れ込みを入れるようなものなので、太さを均一に保つことが難しく、結局彫ったあとを針や目立てヤスリでなぞり、太さを整えることになります。
このエッチング工具だとナイフの柄に装着して、ナイフの刃のような操作でスジボリができる、ということだったので、ナイフで彫る際の太さを調整する工程を飛ばして楽ができるんじゃないかと注目していました。
さっそく使ってみた感想ですが、ライナーソー、チズルともにナイフの柄の挟み込みだけでは固定があまく、刃先がぶれるのでこれ単体でのスジボリには向かないなと思いました。
推奨されるライナーソーでの押し切りでのスジボリは、歯のピッチが広すぎるのでナイフのように直進性が保てません。引き切りでの作業のほうが使いやすいと感じました。
ライナーチズルのほうは極細のノミというより、刃のついていないデザインナイフの刃先といった感じで、押し切り、引き切りともに使えますが、ライナーソーより刃先のぶれ幅が大きいので単体でのフリーハンド作業にはやっぱり向きません。両方ともナイフ等で先にスジ彫りの道を作ってやり、彫りをしっかりさせる為の工具としてならば威力を発揮しそうです。
それからこの工具専用にナイフ柄は用意すべきです。ナイフ用のものと共用にすると付け替えが面倒です。
まだ使い始めたばかりなので慣れていないこともあり、評価するにはまだ早いんですが、今までの手間を大幅に省くという工具ではないようです。
ただ、しっかり彫れるという点は確かでナイフ柄で操作しやすいということもあり、僕がスジ彫りする際のメイン工具になっていくと思います。