ヴィック機の塗装は特殊なのでどう塗るかずっと考えてたのですが、海綿でたたきつけたという斑点はどう見てもエアブラシで再現することは出来ません。結構濃密に斑点は塗ってあり、下地はあまり見えないほどです。

ヴィック少佐の使用したE-4は複数あったようで、2重楔の飛行隊長マークを描いた機体(後に航空団司令官のマークに塗り替えられる)と、機番2、機番10をつけた機体があったようです。今回作るのはキットのデカールが使える?/JG2飛行隊長時の乗機です。
今回困ったことにヴィック機の全体が写ってる写真が手元にありませんでした。メッサーはG以降のほうが好きなのでEの資料はあまり持ってないんです。機体の細部はエアロディティールがあったので何とかなったのですが…。しかたないのでキットの塗装図を参考にして塗るしかないんですが、さっそくタミヤとハセガワの塗装図ではスピナーの塗りわけなどが違ってます。マスターモデラー誌7号では機首の色が白だったりもします。マスモの塗装図は考証的に変なものも載ってたりするので気にしませんが。スピナーの塗りわけは実機写真だと根元が白に見えるのでハセガワをとり、胴体の斑点の密度はタミヤを参考にします。

上からタミヤの指定、マスモ、モデルアート別冊WW2ドイツ空軍のエクスパルテン(これだけJG2司令官時)。

斑点の再現を考えます。まずエアブラシは使えません。方法としては
筆で細かく書きこむ、毛の硬い筆の穂先でたたきつけるようにして再現、スポンジを細かく切ってスタンプ、硬い毛先に塗料を含ませはじいきその飛沫で再現、と考えてみました。
もう作らないフジミ製メッサーの胴体を使ってテストしてみます。
条件を同じにするためあらかじめ下地に65を塗っておきます。下地を溶かして斑点色RLM71が濁る事も考えられたので、エナメルでも71を作って試します。エナメルだと1、58、63、64を混色して作りました。
まずエナメル塗料を使用したスポンジの方法です。
この方法だと斑点の輪郭が判別しにくく、塗料を塗りつけたようにしか見えません。つける塗料の量を調整して、スタンプするときの力の加減を工夫することで尾翼の辺りの表現にはなります。

次に尾翼のほうから、筆で細かく書く、たたきつける、スポンジ、飛沫です。すべてMrカラー使用で、胴体中央でやっぱり色の濁りが起きました。飛沫は結構いいアイディアだと思ったのですが塗料の量の調整が難しく、汚いだけで駄目でした。使えそうなのはたたきつけるのぐらいでしょうか。

もう一度65で塗りつぶし、今度はたたきつける方法を筆を変えてやってみます。
左から油絵用の筆でたたきつけたもの、エンジンのあたりから模型用の平筆(結構高い奴だったと思う)でたたきつけたものです。油絵のほうは荒すぎてちょっと厳しいようです。平筆だと実機の濃密さを再現するにはあっさりしすぎますが、斑点は一番細かく出来るようなのでこれで行くのがベストのようです。

この方法で右舷側を仕上げてみました。平筆なので微妙に線状の部分が出来るのが欠点です。慣れればうまく出来るでしょうが所々線が出てます。