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一式陸攻二四型丁(3) 

前回までで工作はほぼ終わってるので塗装に入ってるんですが、今回はやたらと塗膜が剥離してぜんぜん作業が進みません。

18日までっていうのは絶望的です。

それとなくした脱出孔のパーツは部品請求したらすぐ来ました。
冷静に考えると、部品取りにもう一個買ってもこのキットは作るのにやたらと手間がかかるので作らないだろうと。実家にも一個積んであるし。
パーツは日曜に請求を出して水曜にはもう届きました。ハセガワえらい。

話を戻して、どこが剥離してるのかというと主翼前縁の識別帯と主翼、胴体の日の丸周辺です。
透けるデカールは使いたくなかったので、マスキングの吹き付けで再現しようと下地の白を吹き、マスキングした後に前縁の黄色と日の丸の赤を吹き付けます。そろそろいいかなとマスキングをはがすともうペリペリと。
剥離

これは前縁のまだ剥離の軽いほうですが、主翼、胴体ともペリペリいってたのでシンナーで下地ごと拭い取ります。剥げてなかった右翼のほうも色見本(後述)よりオレンジが強すぎたので塗りなおしてます。
色落とし


日の丸は白縁がなければ楽なのですが、主翼下面以外には縁があるので我慢して一工程多くマスクします。
まず日の丸の赤い部分の直径を持つ円をサークルカッターで切り出し、日の丸を描きたい場所に貼ります。この円が日の丸の位置を確定します。
円を切り出した残りのテープを先に貼った円に重ならないように貼り、貼り終えたら円をはがします。
マスキング

赤を吹き付けた後いったんすべてのマスキングテープを剥がし、塗膜の段差を1500の水ペーパーで均します。
主翼日の丸

白縁を含んだ分の直径を持つ円を切り出し、白ふちの幅がずれないよう慎重に今塗った赤円の上に貼り終了です。
胴体日の丸

白ふちがずれやすいので、ふちつき日の丸は同心円状に切り出した白ふち単体で貼るほうがやりやすいかもしれません。

塗装で使う色についてですが、今回はいろいろ考証本を参考にしました。
日本軍機の塗料規格は陸軍と海軍では違っていましたが、市販の本で陸軍機は主要な色ほぼ全部、海軍機も上面色と下面色は確認できます。
直接的に色見本が載ってるのは、学研から出てる零戦2(1と2が出てて2のほう)、疾風、隼の各ムックです。これらの本はムックという体裁をとってて一見初心者むけですが、実機の通説的解説はなく、実機の細部考証や、開発史から見た機体解説で固めてあるため初心者が手に取ったら写真やCGを眺めるくらいしか面白くない本になってます。
まず世傑あたりを読んで通説を頭に入れてから読まないと、従来の視点と変えて解説される実機の開発史や、新資料を基にした通説のおかしな所を批判してる点の面白さがまったくわからないと思います。
考証にこだわるなら最新の日本機研究の成果がわかるので、日本機モデラーは必読でしょう。
零戦2に載ってる色見本は空技報0266で、これは海軍機の迷彩塗色を規定する実験結果の報告書です。上面の迷彩色や、下面の灰色の色見本が乗ってます。上面の緑が2種(D1濃緑黒色、D2緑黒色)あったことや、いわゆる飴色論争がもう終わってることもこの空技報0266をみるとわかります。
論争の焦点である、零戦の下面色J3灰色そのものが載ってるのでほぼ決まりでしょう。
解釈の紛糾した「ヤヤ飴色ガカリタルモノナルモ光沢ヲ有スル」塗料片は載ってませんが、この「飴色」塗料が塗られていたのは11型と対米開戦前から開戦後しばらくの期間中生産された限定的な機数の21型ぐらいですし、その色にしてもこのJ3灰色をベースに考えていけばいいわけです。
付属の色見本は、もちろん塗料片の退色や印刷による変色があるので零戦に塗られてたそのものとはいえませんが、少なくとも海軍機の塗装の変更が徹底される17年初頭以降の機体色(下面色)なので飴色論争以上に海軍機の塗色という点で重要な資料でしょう。
今まで日本機の色に統一的な規格などない、各生産会社、生産工場ごとに塗料の色味は違うといわれてきてたのでこの資料と解説を読んだときは本当に驚きました。

今回の記事にしようと思ってた、陸攻本体の塗装用に空技報0266を参考にして作ってみた濃緑黒色と緑黒色のカラーチップとカラー写真に残る海軍の双発攻撃機の塗装との比較や、疾風本に載ってる航格8609と隼本に載ってる航各39については疲れたので次回で。
[ 2006/11/17 00:45 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(0)

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