FC2ブログ





一式陸攻二四型丁(4) 

今回も長々と色の考証話をしてますが、模型には好きな色を塗ればいいと思います。実機と同じ色を塗っても縮小された模型ではイメージが変わるのは当然なので。
もちろん考証の正しさが作品の出来、不出来を左右する決定的なものでもありません。
僕が考証をやるのは本や写真で得た実機の理解を復習するためと、より正しい形や色にするにはどうすればいいかを考えるのが楽しいからです。ヒントは出来るだけ多いほうが楽しめるので、写真集や解説本を読み込むのは何か見落としがないか見れば見るほど楽しめます。時間がたつと自分の視点も変わるのでまたおいしいですし。
解説や通説が間違ってることもありますが、後からそれがわかるのもこの遊びを継続していく上での楽しみです。

ガイアノーツから零戦色と銘打って新しい塗料が出るようですが、何を根拠にしてどういう考証をしてるのか興味があります。仮規117、もしくは海軍航空機用塗料色別標準に準拠してるのでしょうか。
この二つの資料は市販図書にはまだ公開されていないので、参考にしたのがこの二つだったら一緒に公開してもらえるとうれしいのですが。


前回の続きで、空技報0266を参考に濃緑黒色D1と緑黒色D2のカラーチップを作ってみました
役立たず

暗い上に写真がへぼいので全然わかりませんね。
一応説明すると、上からMrカラー18番 RLM70ブラックグリーン(この色はD2に似てると思う)、ラベルが以前のデザインの15番 濃緑色(1)(暗緑色)、124番 暗緑色、空技報0266を参考に作った濃緑黒色D1(124に黒を足したもの)、緑黒色D2(18に青と黄色を足したもの)です。
この色味にもいくつか疑問点があって、昭和20年2月9日制定の航格8609(学研の疾風本に掲載)をみると、暗緑色D2(緑黒色)であるといわれる緑色1-2はMrカラー124番そのものに見えます。J3灰色である灰色2-6を見る限り同色なので、空技報0266掲載の暗緑色D2は濃すぎたのでしょう。確かに同一資料中に暗緑色D2の色味が2つに見える塗料片はありました。(ヨ-109に使った色と機体覆いに使った色)
この辺、仮規117にはきちんと載ってるんだろうなぁと想像するのですが、今はわかりません。


カラー写真に残っている中攻の色です。
暗緑色(この名称もどこで緑黒色から変わったのだろう?)D2と思われる一式陸攻11型です。
学研の「艦上機・水上機パーフェクトガイド」によれば昭和16年12月4日付の通達で艦戦以外の迷彩を標準化したそうで、その迷彩色は上面を暗緑色D2とするものだったようです。
モニターの環境で多少違って見えるかも知れませんが、そう極端に色は変わらないでしょう。拡大して見てください。
不時着

逆光でわかりにくいのですが、Mrカラー124番寄りの彩度の高い緑です。

次にアメリカで保存中の銀河11型後期です。当時のままの色だとしたら、Mrカラー124番そのものといった色です。
銀河機首


こちらは今まで見た緑より暗い緑です。九六陸攻23型で戦後に撮影されたものです。機首部分の色は一段暗い緑に塗り替えられてるように見えます。
96陸攻


これも戦後撮影された海軍機各種です。かなり黒っぽい色で、零戦のカウリングと明度差がほとんど同じに見えます。この写真を初めて見たときもかなりショックを受けました。識別帯もオレンジが強いように見えます。僕が調色したカラーチップの濃緑黒色D1はこの色をイメージしています。拡大して見てください。
敗戦

暗緑色D2とされた上面色が、残されたカラー写真からはまったく明度の異なる2色の緑として存在しています。
これは推量なんですが、異なる2種の機体が存在するのは濃緑黒色D1と暗緑色D2の2色を上面色として使い分けていたからではないでしょうか。(どういう基準で分けてたのかはわかりません)
色の違いは写真の写り具合による差なのかもしれませんが、明るい124番寄りの色は暗緑色D2で、より暗い色は濃緑黒色D1ではないかと考えています。わざわざ濃緑黒色D1を制定してるのに使ってなかったとは考えにくいです。

ここから今作ってる一式陸攻の塗装につながるのですが、一式陸攻は末期の塗装では前面暗緑色塗装になります。それまでは下面は無塗装銀(正確には透明塗料で保護)でした。これは戦況の悪化のため昼間行動が出来なくなり夜間用の迷彩として施されたものです。
この下面の塗装は工場出荷時ではなく、部隊配備後に現地部隊が施すもので、写真によっては下面色が黒のように濃く写ってるものもあります。
下面色1

下面色2

この濃く写ってる部分の塗料に濃緑黒色が使われていたというのは考えられないでしょうか。
陸攻という機種は外板の痛みが激しく部隊で張替えが行われていたようなので、当然塗料も大量に保有していたでしょう。
暗緑色D2は主に上面の補修用に使い、濃緑黒色D1は補助として使用してたとしたらどうでしょうか。
こう考えてみたので下面色を濃緑黒色D1として塗ってみようと思います。
[ 2006/11/17 23:25 ] 一式陸攻二四型丁 | TB(0) | CM(2)

色について色々

ベタなタイトルでスマンソ。
戦後の日本機残骸の群れは俺も初めて見た時ショックだったなあ。
丁度124番が発売してしばらくの頃で、15番に比べて余りにも鮮やかで違和感を感じていたので「俺のイメージはこれだ、これっ」と思った気が。
実際には写真の露出の按配からするともう少し明るいんだろうけど、ほぼ独軍ブラックグリーンな感じのあの写真の色味は好きだなあ。
[ 2006/11/20 21:47 ] [ 編集 ]

上面の緑も面白いのですが、識別帯の色調も面白いところなんですよね。
陸軍機では隼のカラー写真(世傑65号)を見るとほとんど黄色で、海軍機は赤みの強いほぼオレンジ色です。(世傑61号雷電参照)
日の丸は陸海軍で色が違っていたようなので識別帯も違って当然なんですが、この辺末期になっても陸海軍で統一しなかったところは興味深いです。

ガイアの零戦灰色見ましたが、あれ陸軍の灰緑色なんじゃ。
[ 2006/11/22 23:30 ] [ 編集 ]

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://1045classrooms.blog73.fc2.com/tb.php/56-1a193f20