ん?メッサーシュミット?何のことかな?

月曜までなんて間に合いません。
代わりに間に合いそうなところから十の字状態で放置してたファインの景雲を仕上げてしまうことにします。「士」の字にするとマスキングが面倒になる場合があるので、よっぽどあわせが悪くない限り塗装前に水平尾翼は接着しません。
景雲という飛行機は海軍の試作偵察機です。海軍は専用の陸上偵察機を持たないため、陸軍の九七式司令部偵察機を九八式陸上偵察機として使用していました。この状況に不都合を感じていたのか高速で長距離飛行可能な偵察機を試作しますが、景雲はその中の一機です。
この景雲は変わった機構をしていて、ハ70-01という愛知のアツタ30型を二つ並列につなげた双子型エンジンを胴体内に装備、延長軸で機首のプロペラを回し高高度を高速で飛行するという実験的な機体でした。前輪式降着装置、排気タービン、プレッシャーキャビンと技術的にも難しく不急の機体という事で一時、試作機整理対象になりましたが、胴体内にエンジンがある構造上ジェット化するのが容易なため、エンジン換装後攻撃機にも転用するということで何とか開発を続けることが出来ました。
設計は空技廠、総飛行回数は3回で、この手の奇抜な技術を使った機体の例に漏れず戦争終結までに完成しませんでした。
頭につく「試製」というのは海軍軍用機の名称付与様式が防諜上の理由から昭和18年8月に変更され、それまでの年式と機種名の組み合わせでなく名称で呼ぶようになったため、「○○試」(○○年試作発注)としていたものを「試製」に、機体名は新名称付与様式により偵察機は雲の名前からということで「景雲」としています。変更がなければ景雲は18試陸上偵察機となっていたでしょう。
では、製作についてです。放置してただけあって面倒な作業がそのまま残ってました。
このキットは以前ファインモールドがモノクロ箱で発売してたものを値段を安くしてカラー箱で再販したものなのですが、結構前のものなのであわせがあんまりよくありません。胴体下面と主翼に大きな段差が出来てラインがスムーズにつながりません。胴体側にアルテコを盛り付け、主翼下面をかなり削って強引にラインをつなげました。

機首側もきれいにつながらないのでアルテコを盛ってつなげます。

ややバリや型ずれが目立つので小物パーツもきちんとペーパーをかけて形を出してやります。プロペラは特に目立つのでしっかり形を削りだします。
景雲は本来2重反転プロペラの予定でしたが、構造が複雑になるため6翅のものに換装されてます。

機体下面のラジエーター開口部のふちが厚いので薄く削ります。左がキット、右が削ったものです。バックに写ってる機体上面につく中間冷却器の吸気口のふちも薄く削ります。
このラジエーターも本来なら引き込み式にする予定だったそうです。飛行した試作1号機では飛ばすことが優先されたため(景雲はジェット化が前提でまず機体の飛行特性を見るため)引き込み式ではありません。

冷却用エアスクープのふちも厚いので削ります。ランナーに付けたまま作業すると持ち手になってやりやすいです。
このエアスクープは初飛行時に双子型エンジンであるハ70-01の内側排気管の過熱から煙を吹いたため追加されたものです。

胴体と主翼上面に隙間が出来ます。零戦のときと同じように隙間にエポパテを擦り込み、はみ出たパテはアクリル溶剤をしみこませた綿棒で拭い取ります。

拭い取ったところです。硬化後軽くペーパーを当てて表面をならすと完璧です。手元にあった軽量パテでやってます。
胴体側面につく排気管はドリルで穴を深くさらってやり、ふちを薄く削ってあります。

ようやく塗装直前の状態です。コクピットやキャノピーのマスキングは箱を開けた時点で済んでました。側面の窓は隙間が目立つので何とかしたほうがいいですね。そのままですが。コクピット内もまったくいじってません。

ファインモールドのキットは合わせは確かに長谷川やタミヤと比べると悪いのですが、考証がしっかりしてるので出来はいいものが多いです。マイナーな日本機や陸軍の戦車をかなりインジェクションキットでそろえてくれたので日本軍ファンにとってはありがたいメーカーです。
だいたいインジェクションで景雲ですよ?カ号や東海なんかも普通なら簡易かレジンキットものでしょう。紫雲と瑞雲出してくれないかなぁ。アオシマとフジミのは駄目なので。
それにこのキットにしても同時期にファインが出してた彗星よりはだいぶマシです。彗星はバリエーション展開のために胴体がバラバラで、さらに部品の幅が足りないとか長さが足りないとか当たり前でしたから。この彗星もカラー箱になって再販されてます。僕は彗星という機体はかなり好きな飛行機なのでモノクロ箱、カラー箱全部買いました。48はこのキットしか選択肢ないですから。でもキットの出来は苦労に見合った雰囲気のいいキットでした。また作ろうかなぁ。
景雲いいですよねぇ、なんかキングコブラの
親玉みたいなトコがw
実は日本にはP-39やP-63そのものな機体があるんですよ
キ88と言う陸軍の試作戦闘機なんですが、コクピット後方にエンジンを置いて延長軸から軸内砲を撃つというどう見てもパクリな機構を持ってます
景雲なんとなくモゲラに似てると思いません?
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